2019年11月04日
妻のトリセツ 黒川伊保子
話題のベストセラーなので、さすがというか読みやすいし、なんとなく説得力あるような雰囲気、正しいかどうかはまた違う話なのだろう。
男は妻を褒めるのが苦手だ。その理由の一つとして考えられるのが、空間認識力が高い男性の拡張感覚。どうやら長く一緒に暮らしている女性をその能力を使って自分の一部のように感じてしまうようなのだ。自分の右手をわざわざ褒めないように、男は妻を褒め続けたりしない。
大変面白く読んだが、例えば、褒めることと褒め続けることは異なる。こういうすり替え的論理展開は困ったものだと思う。
男は妻を褒めるのが苦手だ。その理由の一つとして考えられるのが、空間認識力が高い男性の拡張感覚。どうやら長く一緒に暮らしている女性をその能力を使って自分の一部のように感じてしまうようなのだ。自分の右手をわざわざ褒めないように、男は妻を褒め続けたりしない。
大変面白く読んだが、例えば、褒めることと褒め続けることは異なる。こういうすり替え的論理展開は困ったものだと思う。
2019年10月17日
ホテル・ムンバイ
夕刊の広告がとても胸を打つものだったので期待して見た。個人的な価値観としては、映画は娯楽なのであって、勧善懲悪的とは言わないまでも、多少のカタルシスのある映画を見て、金を払いたい。世の不条理をつきつきられて、後味の悪い映画だった。
テロリストが、イスラム原理主義に洗脳された若者たちことで、西欧的キリスト教的なイスラム教の見方が多少入ることはやむを得ないにしても、あれほど非人間的な振る舞いができるようになってしまうのかと戦慄を覚えた。不条理の中、運が良かった(そうとしか思えない、信念で立ち向かったから助かったわけではない)ものだけが生き残る。
体制側の無防備さにも呆れる、丸腰だと、訓練を受けたマシンガンを持つ奴らにはかなわないのが現実なんだな。ぼーっと生きてるこの日本は大丈夫なのだろうか。
経済格差がいけないのか、教育が不十分なのか、宗教がいけないのか。経済格差にしても、この世のありようは、神の御心が導かれたものだとは考えないというのは、人間の脳って恐ろしい。アラーの神も、キリストの神も同じ神だと聞くけれど、元凶の大ボスに天罰を与えて欲しいと願う。
テロリストが、イスラム原理主義に洗脳された若者たちことで、西欧的キリスト教的なイスラム教の見方が多少入ることはやむを得ないにしても、あれほど非人間的な振る舞いができるようになってしまうのかと戦慄を覚えた。不条理の中、運が良かった(そうとしか思えない、信念で立ち向かったから助かったわけではない)ものだけが生き残る。
体制側の無防備さにも呆れる、丸腰だと、訓練を受けたマシンガンを持つ奴らにはかなわないのが現実なんだな。ぼーっと生きてるこの日本は大丈夫なのだろうか。
経済格差がいけないのか、教育が不十分なのか、宗教がいけないのか。経済格差にしても、この世のありようは、神の御心が導かれたものだとは考えないというのは、人間の脳って恐ろしい。アラーの神も、キリストの神も同じ神だと聞くけれど、元凶の大ボスに天罰を与えて欲しいと願う。
2019年10月16日
アフリカを見る アフリカから見る 白石圭一
「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」いうまでもなく我が日本国憲法前文である。で、そのために一体何をするのか、できるのか、アフリカを材料に、考えさせてくれる本であった。
・日本には「日本は貿易立国だ」と信じている人が少なくないが、(略)世界の主要国の中でも最も貿易依存度の低い国の一つである。内需依存の経済を可能にしたのが日本の分厚い人口
・個人を離れた力ある言葉は存在しないのではないか。個人から切り離された責任ある言葉もまた、存在しないのではないか。 (備忘:「ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉」を読んでみること)
・自分の見たいものだけを見て、自分が信じたいことだけを信じていたのでは、進歩の機会を失う
・我々の現代国際情勢に関する認識は、実は日本語媒体への依存という限られた条件下で形成されたものに過ぎない、という自覚が大切
・2050年には人類の四人に一人がアフリカ人になる。その時、日本企業がアフリカでふさわしいプレゼンスを確保しておくことは、日本のサバイバルためにこそ重要
・社会に様々な格差が存在する中でも、全ての日本国民が等しく理解することができるのが日本語である。こうした言語環境は、インドやアフリカ諸国にはない、かけがえのない財産というほかない
・日本には「日本は貿易立国だ」と信じている人が少なくないが、(略)世界の主要国の中でも最も貿易依存度の低い国の一つである。内需依存の経済を可能にしたのが日本の分厚い人口
・個人を離れた力ある言葉は存在しないのではないか。個人から切り離された責任ある言葉もまた、存在しないのではないか。 (備忘:「ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉」を読んでみること)
・自分の見たいものだけを見て、自分が信じたいことだけを信じていたのでは、進歩の機会を失う
・我々の現代国際情勢に関する認識は、実は日本語媒体への依存という限られた条件下で形成されたものに過ぎない、という自覚が大切
・2050年には人類の四人に一人がアフリカ人になる。その時、日本企業がアフリカでふさわしいプレゼンスを確保しておくことは、日本のサバイバルためにこそ重要
・社会に様々な格差が存在する中でも、全ての日本国民が等しく理解することができるのが日本語である。こうした言語環境は、インドやアフリカ諸国にはない、かけがえのない財産というほかない
2019年10月15日
スペイン巡礼 緑の大地を歩く
新聞の書評で取り上げてあったので読んだけれど、なんだろう、これまで、スペイン巡礼、サンチャゴ・デ・コンポステーラ関係で読んだ本の中でも、感動的なものがない本だった。書き手が、体力的には情けないものがあるにしても、お金がそこそこあり、社会的にも外面は恵まれ、フランス語も話すからなのか、紀行文なのかガイドなのか、ノウハウ的なものもあまりなく、のんきなオヤジのこずかいメモのような本だった。
2019年10月06日
軌跡 辰野勇
モンペルのツアー後に、カヌーの野田知佑さんやらモンベルの辰野勇さんやらの本を読み返したりしている。これもその中で読んだ一冊。延々と自慢話が綴られた本だった。でもまあ、それほど嫌味がなく、胡散臭さもないのは、多分嘘じゃないからなのだろう。
最後の対談が、とても良い。養老孟司氏との対談なんてとても楽しい。
・とはいえ、すんでしまったことだ(養老孟司)
・原発はエネルギー問題として語るべき対象ではないと思う(坂本龍一)
最後の対談が、とても良い。養老孟司氏との対談なんてとても楽しい。
・とはいえ、すんでしまったことだ(養老孟司)
・原発はエネルギー問題として語るべき対象ではないと思う(坂本龍一)
2019年09月28日
ユーコン漂流 野田知佑
デズリン川を下ったので、かつて読んだこの本をもう一度読み返した。1998年の本なのだな。21年前、オレが30代前半の頃の出版なのだ。もっと早く、ユーコンに行くべきだったのかもしれないな。何かに所属していないといられない人間だったのだろう。これまでのことは、もう仕方がない。さてこれから何をしよう。
・人はどうしてSomewhere else に憧れ、青い鳥を探しに出かけるのか。
・人はどうしてSomewhere else に憧れ、青い鳥を探しに出かけるのか。
2019年09月18日
記憶にございません
特に見たい映画もなかったのだけれど、貧乏性なのでチケットを無駄にするのも申し訳ないので見に行く。三谷幸喜の何時ものドタバタ風喜劇である。少し長かったけれど、何も考えずに楽しんだ。
オチは予想どおりなのだけれど、中井貴一だけでなく、秘書官の小池栄子やら野党党首の吉田羊やら、いい味でした。
オチは予想どおりなのだけれど、中井貴一だけでなく、秘書官の小池栄子やら野党党首の吉田羊やら、いい味でした。
2019年09月17日
70歳のたしなみ 坂東眞理子
最近流行りの高齢者本で、きっと内容も似たり寄ったりなのだろうなと思いつつ、作者が、凛としたイメージの坂東氏なので読んでみることにした。
冒頭から「自分の意思で、上機嫌に振舞おう!」と、ああやっぱりノウハウ本かと思ったのだけれど、「たしなみ」とか「ええカッコしよう」とか、説得力があって、きちんと読んでしまった。残りの60歳代を、品格を保ちつつ元気一杯活動し、70歳からは「たしなみ」を持って生きて、80歳までには、ぽっくりオサラバしたいなんて思うのであった。
ただこういう考え方が、時代の制約というやつで、カルヴァン派的な考えに洗脳されてしまっているのかなあ(ブレていかんなあ)。
・高齢者の心を一番落ち込ませるのは人との比較である。
・親の責任とは何か。子供を自立した人間に育てること。自立できない子供を支えるのが親の責任ではない(大甘に育てて、パラサイトされているかもしれんなあ)。
・人に役に立とう、社会を少しでもよくするために少しでもできることをしようという意欲を持ち続けるのが中流のたしなみである。
・必要なのは、たとえ明日世界が滅ぶとも私は今日、木を植えるという心意気。
・若い人を育てるつもりで褒め言葉を惜しまない高齢者は、応援団として頼られる。
・(鏡に映った姿を見て)これではならじと頑張るか、年だから仕方がないとあきらめてしまうかが、その後の人生の見た目を決める。心の持ちようも決める。
・自分の選択を恥じず、後悔せず、受け入れる覚悟が必要である。人は一人で生きて、一人で死んでいくものだと改めて覚悟が求められる。
冒頭から「自分の意思で、上機嫌に振舞おう!」と、ああやっぱりノウハウ本かと思ったのだけれど、「たしなみ」とか「ええカッコしよう」とか、説得力があって、きちんと読んでしまった。残りの60歳代を、品格を保ちつつ元気一杯活動し、70歳からは「たしなみ」を持って生きて、80歳までには、ぽっくりオサラバしたいなんて思うのであった。
ただこういう考え方が、時代の制約というやつで、カルヴァン派的な考えに洗脳されてしまっているのかなあ(ブレていかんなあ)。
・高齢者の心を一番落ち込ませるのは人との比較である。
・親の責任とは何か。子供を自立した人間に育てること。自立できない子供を支えるのが親の責任ではない(大甘に育てて、パラサイトされているかもしれんなあ)。
・人に役に立とう、社会を少しでもよくするために少しでもできることをしようという意欲を持ち続けるのが中流のたしなみである。
・必要なのは、たとえ明日世界が滅ぶとも私は今日、木を植えるという心意気。
・若い人を育てるつもりで褒め言葉を惜しまない高齢者は、応援団として頼られる。
・(鏡に映った姿を見て)これではならじと頑張るか、年だから仕方がないとあきらめてしまうかが、その後の人生の見た目を決める。心の持ちようも決める。
・自分の選択を恥じず、後悔せず、受け入れる覚悟が必要である。人は一人で生きて、一人で死んでいくものだと改めて覚悟が求められる。
2019年09月10日
モンベル 7つの決断 辰野勇
「終わった過去を悔やむのではなく、未来を見据えて一歩ずつ、足元を見て歩き続けること」
まんまと戦略に乗せられて、モンベル会員の一人なのであるが、Leading edge の辰野勇はかっこよすぎるのである。幸運に恵まれているように書かれているけれど、綿密な計画としたたかな実行力と大阪人のテンションの高さですごい会社にしたのだと思う。
第7の決断--アウトドア義援隊の章は、感動してしまいました。
まんまと戦略に乗せられて、モンベル会員の一人なのであるが、Leading edge の辰野勇はかっこよすぎるのである。幸運に恵まれているように書かれているけれど、綿密な計画としたたかな実行力と大阪人のテンションの高さですごい会社にしたのだと思う。
第7の決断--アウトドア義援隊の章は、感動してしまいました。
2019年09月09日
会計の世界史
美術史や文化史や経済史からのアプローチで楽しく読める。つまらない会計の教科書もこうした文脈の中では大変理解しやすい。会社員だった頃にこういう本を読みたかった。残念。