2020年07月01日

時代へ、世界へ、理想へ 同時代クロニクル2019-2020  高村薫

一つ一つの指摘は、おそらく的を得たものなのだろう。それでも、で、どうする、あなたは、ボクは、がモヤッとしたまま。昔、拓郎が歌っていた「知識人」よお〜と同様に思えてしまうのは、ボクのひがみなのだろうか。





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2020年04月25日

ベルリンは晴れているか  深緑野分

何かの書評で知って、この本を読み始めたのだと思う。最後まで読んで、ああ、ミステリーだったんだと思うくらい、ワイマール共和国から、ナチスの台頭、戦中、戦後のドイツの様子が克明に描かれていた。最初は、なんだか読むのが、難儀な印象だったのに、つい、のめりこむ形で、後半は一気読みだった。
不条理で、過酷な世界、でも、人間は生きていく。このタイトルの意味を、考えたい。

・なぜ危険を冒してまで宗教にこだわろうとするのか?
・まだ、「こんな事態になるとは予想しなかった」といいますか?自分の国が悪に暴走するのを止められなかったのは、あなた方全員の責任です。
 この人は、あれが私のせいだというのか。ドイツの女性たちは父や兄や弟が他国で人を殺した代償に、凌辱されたのか。

ベルリンは晴れているか (単行本)
深緑 野分
筑摩書房
2018-09-26



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2020年03月07日

僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー  The Real British Secondary School Days ブレディみかこ

静かだけれど、読後感の良い気持ちのいい本だった。英国の元最底辺中学校へ通学する男の子との日常、レイシズムというものがどこでも蔓延し、差別が日常的なものになっているのは、日本も同じ。されど、母は強い!

・国っていうのは、困った時に集めた会費(税金のこと!)を使って助け合う互助会みたいなもの
・どこの出身であろうと、肌の色が何であろうと、どんな宗教を信じていようと、勇気を出して力を出し合えばより良い国を作ることができる〜民族性ではなく、居住地による新たなナショナリズムの可能性
・日本に行けば「ガイジン」って言われるし、こっちでは「チンク」とか言われるから、僕はどっちにも属さない。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ブレイディ みかこ
新潮社
2019-06-21



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2020年02月24日

熱源  川越宗一

全く先入観というか予備知識なしで読んだ。「熱源」ってなんだ?電源開発か、地殻変動かと思っていたら、少数民族、あるいは弱小集団と言われるような人たちを、突き動かすものって何っていう物語。
日本におけるアイヌや、ロシアにおけるギリヤークや、リトアニヤや、ポーランドとか、そこに生きる人たちが描かれる。

・弱肉強食の摂理、弱きは食われる、競争のみが生存の手段である。そのような摂理こそが人を滅ぼすのです。だから、私は人として、摂理と戦います。
・生きるための熱の源は、人だ。
・アイヌって言葉は人って意味なんですよ。強いも弱いも、優れるも劣るもない。生まれたから、生きていくのだ。すべてを引き受け、あるいは補いあって、生まれたのだから、生きていいはずだ。
    
【第162回 直木賞受賞作】熱源
川越 宗一
文藝春秋
2019-08-28



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2019年11月04日

妻のトリセツ  黒川伊保子

話題のベストセラーなので、さすがというか読みやすいし、なんとなく説得力あるような雰囲気、正しいかどうかはまた違う話なのだろう。

男は妻を褒めるのが苦手だ。その理由の一つとして考えられるのが、空間認識力が高い男性の拡張感覚。どうやら長く一緒に暮らしている女性をその能力を使って自分の一部のように感じてしまうようなのだ。自分の右手をわざわざ褒めないように、男は妻を褒め続けたりしない。

大変面白く読んだが、例えば、褒めることと褒め続けることは異なる。こういうすり替え的論理展開は困ったものだと思う。



kidnight1tt at 22:19|PermalinkComments(0) 

2019年10月17日

ホテル・ムンバイ

夕刊の広告がとても胸を打つものだったので期待して見た。個人的な価値観としては、映画は娯楽なのであって、勧善懲悪的とは言わないまでも、多少のカタルシスのある映画を見て、金を払いたい。世の不条理をつきつきられて、後味の悪い映画だった。
テロリストが、イスラム原理主義に洗脳された若者たちことで、西欧的キリスト教的なイスラム教の見方が多少入ることはやむを得ないにしても、あれほど非人間的な振る舞いができるようになってしまうのかと戦慄を覚えた。不条理の中、運が良かった(そうとしか思えない、信念で立ち向かったから助かったわけではない)ものだけが生き残る。
体制側の無防備さにも呆れる、丸腰だと、訓練を受けたマシンガンを持つ奴らにはかなわないのが現実なんだな。ぼーっと生きてるこの日本は大丈夫なのだろうか。
経済格差がいけないのか、教育が不十分なのか、宗教がいけないのか。経済格差にしても、この世のありようは、神の御心が導かれたものだとは考えないというのは、人間の脳って恐ろしい。アラーの神も、キリストの神も同じ神だと聞くけれど、元凶の大ボスに天罰を与えて欲しいと願う。
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kidnight1tt at 17:50|PermalinkComments(0)シアター 

2019年10月16日

アフリカを見る アフリカから見る  白石圭一

「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」いうまでもなく我が日本国憲法前文である。で、そのために一体何をするのか、できるのか、アフリカを材料に、考えさせてくれる本であった。

・日本には「日本は貿易立国だ」と信じている人が少なくないが、(略)世界の主要国の中でも最も貿易依存度の低い国の一つである。内需依存の経済を可能にしたのが日本の分厚い人口
・個人を離れた力ある言葉は存在しないのではないか。個人から切り離された責任ある言葉もまた、存在しないのではないか。 (備忘:「ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉」を読んでみること)
・自分の見たいものだけを見て、自分が信じたいことだけを信じていたのでは、進歩の機会を失う
・我々の現代国際情勢に関する認識は、実は日本語媒体への依存という限られた条件下で形成されたものに過ぎない、という自覚が大切
・2050年には人類の四人に一人がアフリカ人になる。その時、日本企業がアフリカでふさわしいプレゼンスを確保しておくことは、日本のサバイバルためにこそ重要
・社会に様々な格差が存在する中でも、全ての日本国民が等しく理解することができるのが日本語である。こうした言語環境は、インドやアフリカ諸国にはない、かけがえのない財産というほかない




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2019年10月15日

スペイン巡礼 緑の大地を歩く

新聞の書評で取り上げてあったので読んだけれど、なんだろう、これまで、スペイン巡礼、サンチャゴ・デ・コンポステーラ関係で読んだ本の中でも、感動的なものがない本だった。書き手が、体力的には情けないものがあるにしても、お金がそこそこあり、社会的にも外面は恵まれ、フランス語も話すからなのか、紀行文なのかガイドなのか、ノウハウ的なものもあまりなく、のんきなオヤジのこずかいメモのような本だった。



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2019年10月06日

軌跡   辰野勇

モンペルのツアー後に、カヌーの野田知佑さんやらモンベルの辰野勇さんやらの本を読み返したりしている。これもその中で読んだ一冊。延々と自慢話が綴られた本だった。でもまあ、それほど嫌味がなく、胡散臭さもないのは、多分嘘じゃないからなのだろう。

最後の対談が、とても良い。養老孟司氏との対談なんてとても楽しい。
・とはいえ、すんでしまったことだ(養老孟司)
・原発はエネルギー問題として語るべき対象ではないと思う(坂本龍一)

軌跡(モンベル・ブックス)
辰野 勇
ネイチュアエンタープライズ
2014-12-05



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2019年09月28日

ユーコン漂流  野田知佑

デズリン川を下ったので、かつて読んだこの本をもう一度読み返した。1998年の本なのだな。21年前、オレが30代前半の頃の出版なのだ。もっと早く、ユーコンに行くべきだったのかもしれないな。何かに所属していないといられない人間だったのだろう。これまでのことは、もう仕方がない。さてこれから何をしよう。

・人はどうしてSomewhere else に憧れ、青い鳥を探しに出かけるのか。

ユーコン漂流 (mont‐bell BOOKS)
野田知佑
ネイチュアエンタープライズ
2019-03-28



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